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自律神経失調症に効く漢方薬の種類と効果を徹底解説!症状別おすすめ漢方も紹介

    
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自律神経失調症に効く漢方薬の種類と効果を徹底解説!症状別おすすめ漢方も紹...

自律神経失調症に悩まされている方、漢方薬での改善に興味はありませんか? このページでは、自律神経失調症に効果的な漢方薬の種類と効果を徹底解説します。加味逍遙散、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯など、代表的な漢方薬の特徴や、それぞれどのような症状に適しているのかを分かりやすく説明しています。さらに、不眠、イライラ、不安感、動悸、めまいといった具体的な症状別に、おすすめの漢方薬もご紹介。漢方薬は自然由来の生薬から作られており、体質改善を目的とした根本治療を目指せる点がメリットです。西洋薬との違いや、漢方薬を選ぶ際のポイント、服用時の注意点なども解説しているので、漢方薬を初めて試す方にも安心して読んでいただけます。この記事を読めば、ご自身の症状に合った漢方薬を見つけ、自律神経失調症の改善に役立てられるでしょう。

目次

1. 自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、循環器、消化器、呼吸器など様々な体の機能を調整している自律神経のバランスが崩れることで、身体に様々な不調が現れる状態のことです。特定の病気ではなく、様々な症状の総称であるため、診断が難しく、他の病気と間違われることも少なくありません。

1.1 自律神経失調症の症状

自律神経失調症の症状は非常に多岐にわたり、人によって現れ方が異なります。主な症状としては以下のようなものがあります。

身体的症状精神的症状
倦怠感 頭痛 めまい 動悸 息切れ 吐き気 便秘や下痢などの消化器症状 食欲不振 冷え性 肩こり 腰痛 耳鳴り 不眠 頻尿 残尿感 発汗異常イライラ 不安感 抑うつ気分 集中力の低下 感情の起伏が激しい 無気力 焦燥感

これらの症状は、単独で現れることもあれば、複数同時に現れることもあります。また、症状の程度も人によって異なり、軽い不調から日常生活に支障をきたすほどの重い症状まで様々です。

1.2 自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 精神的ストレス:仕事や人間関係、家庭環境などのストレスは自律神経のバランスを崩す大きな要因となります。過度なストレスに長期間さらされることで、自律神経の調節機能が乱れ、様々な症状が現れます。
  • 生活習慣の乱れ:不規則な生活、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足などは、自律神経のバランスを崩しやすくします。特に、睡眠不足は自律神経の調整に大きな影響を与えるため、十分な睡眠時間を確保することが重要です。
  • 環境の変化:引っ越し、転職、結婚、出産、進学など、生活環境の大きな変化は、精神的な負担となり、自律神経のバランスを崩す原因となることがあります。新しい環境に適応しようと頑張りすぎることも、ストレスにつながるため注意が必要です。
  • ホルモンバランスの変化:思春期、妊娠、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期は、自律神経が不安定になりやすく、自律神経失調症の症状が現れやすくなります。特に、更年期は女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、様々な不調が現れることがあります。
  • 性格的な要因:真面目すぎる、完璧主義、責任感が強い、神経質な性格の人は、ストレスをため込みやすく、自律神経失調症になりやすい傾向があります。また、物事をネガティブに捉えやすい人も、自律神経のバランスを崩しやすいため注意が必要です。
  • 気候の変化:季節の変わり目や、急激な気温の変化は、自律神経の調節機能に負担をかけ、自律神経失調症の症状を悪化させることがあります。特に、梅雨時期や夏場は、気温や湿度の変化が激しいため、自律神経が乱れやすい時期です。

これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさって自律神経失調症を引き起こすと考えられています。自分自身の生活習慣や環境を見直し、ストレスを軽減するための工夫をすることが、自律神経失調症の予防や改善につながります。

2. 自律神経失調症と漢方

自律神経失調症は、西洋医学では検査で異常が見つかりにくいことから、診断や治療に難しさを感じている方も少なくありません。一方、漢方は身体全体のバランスを整えることで、根本的な改善を目指す医学です。西洋医学とは異なるアプローチで、自律神経失調症の症状緩和に効果を発揮することがあります。

2.1 漢方の考え方

漢方医学では、人間の身体を一つの有機的なシステムとして捉え、「気・血・水」のバランスが健康を維持するために重要だと考えます。これらのバランスが崩れると、様々な不調が現れると考えられており、自律神経失調症もその一つです。漢方では、個々の症状だけでなく、体質や生活習慣なども考慮し、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を行います。

また、漢方では「未病」という概念も重視されます。これは、病気ではないものの、健康でもない状態を指し、病気の兆候が現れる前に対処することで、重症化を防ぐという考え方です。自律神経失調症の初期症状に漢方を取り入れることで、症状の悪化を防ぎ、健康な状態を維持することに繋がると考えられています。

2.2 なぜ自律神経失調症に漢方が効くのか

漢方薬は、複数の生薬を組み合わせることで、相乗効果を発揮し、身体全体のバランスを整えます。自律神経失調症の場合、自律神経の乱れだけでなく、ストレス、疲労、冷え、胃腸の不調など、様々な要因が絡み合っていることが多いです。漢方薬は、これらの要因に複合的に働きかけることで、自律神経のバランスを整え、症状を改善していきます。また、漢方薬は自然由来の成分でできているため、比較的副作用が少ないというメリットもあります。ただし、体質に合わない場合や、他の薬との飲み合わせによっては副作用が出る可能性もあるため、服用前に専門家に相談することが大切です。

漢方の考え方西洋医学との違い
身体全体のバランスを重視症状に焦点を当てた治療
気・血・水のバランスを整える検査結果に基づいた診断
一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療標準化された治療法
未病の段階から対処発症後の治療

漢方薬は、西洋医学では原因が特定しにくい自律神経失調症のような症状にも、体質や生活習慣などを考慮した上で、多角的にアプローチできるため、効果が期待できると考えられています。根本的な体質改善を目指すことで、自律神経の乱れを整え、心身の健康を取り戻すサポートをしてくれます。

3. 自律神経失調症に効く漢方薬の種類と効果

自律神経失調症の症状は多岐に渡り、その症状に合わせて様々な漢方薬が用いられます。ここでは、代表的な漢方薬とその効果、副作用、そしてどんな方におすすめかについて詳しく解説します。

3.1 加味逍遙散(かみしょうようさん)

3.1.1 効果・効能

加味逍遙散は、イライラ、不安、不眠、肩こり、頭痛、めまい、冷え性、生理不順など、更年期障害や月経前症候群(PMS)といった女性特有の症状に効果があるとされています。精神的なストレスや疲労が原因で自律神経のバランスが崩れている方に適しています。また、血行促進作用もあるため、冷え性にも効果的です。

3.1.2 副作用

比較的副作用は少ないですが、まれに胃腸障害、発疹、かゆみなどが起こることがあります。また、長期連用により偽アルドステロン症やミオパチーが現れる可能性も指摘されています。症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、専門家に相談してください。

3.1.3 こんな人におすすめ

イライラしやすく、精神的に不安定になりやすい方、不眠、肩こり、頭痛、めまい、冷え性、生理不順などの症状がある方におすすめです。

3.2 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

3.2.1 効果・効能

半夏厚朴湯は、咽喉頭の異物感や圧迫感、不安感、神経症、めまい、動悸、息苦しさといった、いわゆる「ヒステリー球(梅核気)」の症状に効果があるとされています。ストレスが原因で喉の詰まり感や呼吸困難感を覚える方、不安感が強く、神経質な方に向いています。

3.2.2 副作用

副作用は比較的少ないですが、まれに胃腸障害、発疹、かゆみなどが起こることがあります。症状が現れた場合は、服用を中止し、専門家に相談してください。

3.2.3 こんな人におすすめ

喉の詰まり感や異物感、不安感、神経過敏、動悸、息苦しさなどの症状がある方におすすめです。

3.3 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

3.3.1 効果・効能

柴胡加竜骨牡蛎湯は、不安、不眠、イライラ、動悸、焦燥感などの精神症状に加え、便秘や腹痛、発熱などの身体症状にも効果があります。 体力中等度以上で、神経質、興奮しやすい、イライラしやすい方に向いています。また、更年期障害や神経症にも用いられます。

3.3.2 副作用

まれに、胃腸障害、発疹、かゆみ、肝機能障害などが起こることがあります。症状が現れた場合は、服用を中止し、専門家に相談してください。

3.3.3 こんな人におすすめ

不安、不眠、イライラ、動悸、焦燥感、便秘、腹痛、発熱などの症状があり、体力中等度以上の方におすすめです。

3.4 抑肝散(よくかんさん)

3.4.1 効果・効能

抑肝散は、神経過敏、イライラ、興奮、不眠、小児の夜泣き、疳の虫などに効果があるとされています。特に、神経が過敏で興奮しやすい、怒りっぽい、寝つきが悪い、夜泣きがひどいといった症状に効果を発揮します。

3.4.2 副作用

比較的副作用は少ないですが、まれに胃腸障害、発疹、かゆみなどが起こることがあります。症状が現れた場合は、服用を中止し、専門家に相談してください。

3.4.3 こんな人におすすめ

神経過敏、イライラ、興奮しやすい、不眠、小児の夜泣き、疳の虫などの症状がある方におすすめです。

3.5 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

3.5.1 効果・効能

桂枝加竜骨牡蛎湯は、神経質、不安、不眠、疲れやすい、腹痛、下痢などの症状に効果があります。特に、体力がなく、疲れやすい、冷え性、腹痛や下痢をしやすいといった虚弱体質の方に適しています。また、小児の夜泣きや神経症にも用いられます。

3.5.2 副作用

比較的副作用は少ないですが、まれに胃腸障害、発疹、かゆみなどが起こることがあります。症状が現れた場合は、服用を中止し、専門家に相談してください。

3.5.3 こんな人におすすめ

神経質、不安、不眠、疲れやすい、腹痛、下痢などの症状があり、体力がなく、虚弱体質の方におすすめです。また、小児の夜泣きにも効果的です。

漢方薬名主な効能適応症状
加味逍遙散精神安定、血行促進イライラ、不安、不眠、肩こり、頭痛、冷え性、生理不順、更年期障害、月経前症候群
半夏厚朴湯咽喉頭異物感の改善、不安感の軽減ヒステリー球(梅核気)、喉の詰まり、不安感、神経症、動悸
柴胡加竜骨牡蛎湯精神安定、解熱、鎮痛不安、不眠、イライラ、動悸、焦燥感、便秘、腹痛、発熱、更年期障害、神経症
抑肝散神経過敏の改善、精神安定神経過敏、イライラ、興奮、不眠、小児の夜泣き、疳の虫
桂枝加竜骨牡蛎湯精神安定、体力増強神経質、不安、不眠、疲れやすい、腹痛、下痢、小児の夜泣き、虚弱体質

上記以外にも、様々な漢方薬が自律神経失調症の治療に用いられます。自分に合った漢方薬を選ぶことが重要です。漢方薬を選ぶ際には、必ず専門家に相談し、自分の体質や症状に合った漢方薬を処方してもらうようにしましょう。

4. 症状別おすすめ漢方

自律神経失調症の症状は人それぞれ。ここでは、代表的な症状別に、おすすめの漢方薬を複数紹介し、それぞれの違いを解説します。症状に合わせて、自分に合った漢方薬を見つける参考にしてください。

4.1 不眠に悩む方

なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまうなど、睡眠のトラブルを抱えている方に適した漢方薬を紹介します。

4.1.1 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

寝付きが悪い、眠りが浅い、夢をよく見るといった症状に効果があります。心身が疲れていたり、ストレスが原因で眠れない場合に適しています。

4.1.2 加味帰脾湯(かみきひとう)

不眠に加え、疲労感、動悸、不安感、イライラなどの症状がある場合に用いられます。精神的なストレスや疲労が蓄積している方に適しています。

4.1.3 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

神経過敏、不眠、動悸、不安感などの症状がある場合に用いられます。イライラしやすく、ちょっとしたことで驚いたりする方に向いています。

4.2 イライラする方

些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなってしまう方に適した漢方薬を紹介します。

4.2.1 加味逍遙散(かみしょうようさん)

イライラしやすく、くよくよしたり、不安を感じやすい、肩こりや頭痛、生理不順などの症状にも効果があります。特に女性に多く用いられる漢方薬です。

4.2.2 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

イライラ、怒りっぽい、神経質な方に適しています。動悸や不眠を伴う場合にも効果的です。

4.2.3 抑肝散(よくかんさん)

神経の高ぶりを抑え、精神を安定させる働きがあります。怒りやすい、興奮しやすい、落ち着きがないといった症状に効果的です。小児の夜泣きやかんむしにも用いられます。

4.3 不安感が強い方

漠然とした不安感や、将来への心配などで落ち着かない方に適した漢方薬を紹介します。

4.3.1 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

不安感や緊張からくるのどの詰まり感、息苦しさ、動悸などに効果があります。「梅核気」と呼ばれる症状に用いられます。

4.3.2 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

神経質で疲れやすく、不安感、動悸、不眠などの症状がある方に適しています。ちょっとした刺激で驚きやすい、神経過敏な方に向いています。

4.3.3 加味帰脾湯(かみきひとう)

精神的な疲労やストレスからくる不安感、不眠、動悸、食欲不振などに効果があります。考え事が多い心配性な方に適しています。

4.4 動悸がする方

心臓がドキドキしたり、脈が速くなる動悸に悩む方に適した漢方薬を紹介します。

漢方薬特徴
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)疲れやすく、動悸、息切れ、不安感がある方に。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)イライラしやすく、動悸、不眠を伴う場合に。
加味帰脾湯(かみきひとう)不眠、動悸、めまい、耳鳴りなどを伴う場合に。

4.5 めまいがする方

グルグル回るようなめまいや、フワフワするようなめまいを感じる方に適した漢方薬を紹介します。

漢方薬特徴
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)立ちくらみめまい頭痛吐き気などを伴う場合に。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)めまい、ふらつき、水毒が原因と考えられる場合に。
五苓散(ごれいさん)めまい、頭痛、吐き気、二日酔いなど、水分の代謝異常が原因と考えられる場合に。

上記はあくまでも一般的な症状と漢方薬の組み合わせの例です。漢方薬は体質や症状に合わせて適切に選択する必要があります。自己判断せず、漢方に精通した専門家に相談の上、服用するようにしましょう。

5. 漢方薬の選び方

自律神経失調症に効果的な漢方薬は多種多様ですが、自分に合った漢方薬を選ぶことが改善への近道です。自己判断で漢方薬を選ぶのは危険な場合もありますので、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

5.1 自分の症状に合った漢方薬を選ぶ

漢方薬は、体全体のバランスを整えることで自然治癒力を高め、症状を改善していくという考え方です。そのため、西洋医学のように症状だけを抑えるのではなく、その人の体質や症状全体を診て、最適な漢方薬が選ばれます。

例えば、同じ「めまい」という症状でも、冷えを伴う場合は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、ストレスが原因の場合は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)といったように、体質や原因によって適切な漢方薬は異なります

また、自律神経失調症の症状は人それぞれで、複数の症状が複雑に絡み合っている場合も多いです。そのため、自分の症状を正確に把握し、専門家に相談することが重要です。

5.2 体質に合った漢方薬を選ぶ

漢方では、「虚証(きょしょう)」と「実証(じっしょう)」という考え方があり、体質によって適切な漢方薬が異なります

体質特徴
虚証体力や抵抗力が弱く、疲れやすい、冷えやすい、胃腸が弱いなど十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など
実証体力があり、比較的元気だが、イライラしやすい、のぼせやすい、便秘がちなど防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、葛根湯(かっこんとう)など

自分の体質を理解し、それに合った漢方薬を選ぶことが大切です。体質の判断は難しい場合もありますので、専門家に相談することをおすすめします。

5.3 専門家に相談する

漢方薬を選ぶ際には、自己判断ではなく、必ず専門家に相談しましょう。漢方薬に精通した薬剤師や登録販売者、漢方医などに相談することで、自分の体質や症状に合った最適な漢方薬を見つけることができます。

相談する際には、現在の症状、過去の病歴、服用中の薬などについて詳しく伝えるようにしましょう。また、漢方薬の効果や副作用についても、しっかりと説明を受けることが大切です。

漢方薬は、体質改善を目的とした治療法です。効果が出るまでに時間がかかる場合もありますが、根気強く服用を続けることが重要です。専門家の指導のもと、自分に合った漢方薬を選び、適切に服用することで、自律神経失調症の症状改善を目指しましょう。

6. 漢方薬服用時の注意点

漢方薬は自然由来の生薬から作られていますが、医薬品であることを忘れてはいけません。正しく服用することで効果を発揮し、副作用のリスクを減らすことができます。漢方薬を服用する際の注意点について詳しく解説します。

6.1 服用方法と期間

漢方薬は、通常、食前もしくは食間(食後2~3時間後)に白湯またはぬるま湯で服用します。お湯の温度は、熱すぎず冷たすぎない人肌程度が適しています。漢方薬によっては、食後に服用するものもありますので、処方された先生または薬剤師の指示に従ってください。自己判断で服用方法を変えないようにしましょう。

漢方薬の効果が現れるまでには、ある程度の期間が必要です。通常は数週間から数ヶ月かけてじっくりと体質改善を図っていきます。効果が感じられないからといって、すぐに服用を中止せず、まずは処方してくれた先生に相談しましょう。また、自己判断で服用量を増やしたり、他の漢方薬と併用したりすることも避けてください。

6.2 他の薬との飲み合わせ

漢方薬は、他の薬と相互作用を起こす可能性があります。現在服用している薬がある場合は、必ず漢方薬を処方してもらう際に伝えましょう。具体的には、病院で処方された薬だけでなく、市販薬、サプリメントなども含まれます。飲み合わせによっては、漢方薬の効果が弱まったり、副作用が強く出たりする可能性があります。特に、ワーファリンなどの血液をサラサラにする薬や、降圧剤、糖尿病の薬などを服用している場合は注意が必要です。

併用する薬注意点
ワーファリン漢方薬の中には血液凝固に影響を与えるものがあり、ワーファリンの効果を増強させる可能性があります。出血しやすくなるリスクがあるので、併用する場合は慎重な経過観察が必要です。
降圧剤一部の漢方薬は降圧作用を持つため、降圧剤と併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。
糖尿病の薬血糖値に影響を与える漢方薬もあります。糖尿病の薬と併用する場合は、血糖値の変動に注意が必要です。
その他上記以外にも、様々な薬との相互作用が考えられます。必ず、服用中の薬をすべて伝えて、相談しましょう。

6.3 副作用が出た場合の対処法

漢方薬は自然由来の成分から作られていますが、副作用が起こる可能性があります。主な副作用としては、吐き気、食欲不振、下痢、便秘、発疹、かゆみなどがあります。これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、処方してくれた先生に相談しましょう。自己判断で他の薬を服用したり、症状を放置したりすることは危険です。

また、稀に重篤な副作用が起こる可能性もあります。例えば、間黄と呼ばれる黄疸や肝機能障害、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)などが報告されています。これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

6.3.1 副作用発生時の連絡先

副作用に関する相談窓口として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が設置されています。副作用が疑われる場合は、PMDAのウェブサイトを確認するか、電話で相談することもできます。

7. まとめ

自律神経失調症に効果的な漢方薬の種類と効果、そして症状別のおすすめ漢方について解説しました。自律神経失調症は、様々な症状が現れる複雑な疾患です。西洋医学的な治療と並行して、漢方薬を服用することで症状の改善が期待できます。加味逍遙散、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯など、様々な漢方薬があり、それぞれ効果・効能や副作用、向き不向きが異なります。自分の症状に合った漢方薬を選ぶことが重要です。不眠、イライラ、不安感、動悸、めまいなど、具体的な症状別に最適な漢方薬も紹介しましたので、参考にしてください。漢方薬を選ぶ際には、必ず医師や薬剤師に相談し、適切な処方を受けてください。自己判断での服用は避け、専門家の指導のもとで安全に漢方薬を活用しましょう。また、他の薬との飲み合わせや副作用にも注意が必要です。漢方薬は、体質改善を目的とした治療法です。効果を実感するためには、ある程度の期間、継続して服用することが大切です。お悩みの方は当院にてご相談ください。

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